現在、私の仕事の大半はメーカーの取扱説明書の制作です。
するとここで、メーカーの取扱説明書を個人事業主の私が作っているということに、疑問を持たれる方も多いかと思います。そもそも、取扱説明書というものはメーカーが作っているはずだと多くの方がお考えでしょう。
メーカーは取扱説明書を作らない?
基本的に取扱説明書はメーカーの責任において作られます。ただ、実際の制作を必ずしもメーカーの内部ではやっていないということです。
かつては、メーカーの開発担当や設計担当のなかで取扱説明書が作られていました。しかし、そうした説明書は仕様書をそのまま説明書にしたようなものもあり、いま以上にわかりにくく不評でした。
そこで、説明書作りに参入したのが、メーカーと取引のある印刷会社やデザイン会社、翻訳会社でした。もともと、カタログやパンフレット作りに携わっていたので、ある程度の製品に関する知識もあったため、それぞれが自らの知見を生かし、「わかりやす取扱説明書」なるものを提案し、徐々にメーカーから取扱説明書作りを任されるようになっていったのです。
また、企業のリストラが進行する時期とも重なり、メーカー側も取扱説明書作りにリソースを割けなくなったというのも、大きな要因のひとつです。
私が取扱説明書を作るまで
私が取扱説明書を書くきっかけになったのは、某デジカメを作っているメーカーのドキュメント制作を担当する子会社に入ったことでした。(それまで、いろんな仕事を転々としていますがその話はまた後日…)
私自身も取扱説明書を作るという仕事をそれまで意識したことがなく、それは新鮮なことでした。たまたまカメラに多少の知見があった私は、その会社でライティングを担当することになったのですが、取扱説明書のライティングというのは、記事を書いたり、パンフレットのコピーを書いたりするのとはマナーが異なり、最初のうちはそれにかなり戸惑いました。(その辺の話もまた後日…)
その後、その会社を離れてからも、他の会社で取扱説明書を担当し、現在も主要な業務となっているわけです。