前回に続いて、なぜ取説が読まれないのかという話。
- 「取説なんて読んだことない」
- 「取説は読みにくい」
- 「取説には何を書いているのかわからない」
- 「取説、付いてたっけ?」 などなど
これらの話は作り手にとって、非常につらいもの。
ですが、なぜこのようなことになってしまうのでしょう。
なぜ取説は読まれないのか?のつづき
その2:なんでも載せてしまいがち
取扱説明書はごちゃごちゃと、色々なことが書いてあるし、情報量も多いので読む気が起きない、という方もおおいのではないでしょうか?昔の携帯電話の取説など、数百ページにおよぶものもあり、使う前によく読もうなどとはとても思えないものでした。
よく読むとお役立ち情報もあり、製品をより有効活用できるのですが、何せ情報量が多すぎるので、人を遠ざけてしまう結果になりがちです。使い方をわかってもらうための取説が、情報量ゆえに「なんだか難しいそう」という印象を与えるという矛盾がそこに生じてしまいます。しっかり読んでくれるのは、より製品を使いこなしたいと考える一部のマニアや、使うためにはしっかり理解しておかずにはいられないという性分の方、という限られた人たちというのが現状です。
これが起きるのは、取扱説明書には、製品の情報が一から十まで入っていなければならないという、ある種の強迫観念めいたものがそこに働いているためです。そしてその裏には、カスタマーサポートに「使い方がわからない」という問い合わせがあったとき、「説明書に書いてありますよ」と逃げ道を用意しておきたいという事情もあります。先の注意文と根っこはほぼ同じです。
確かに取説には書いてあるけど、読まれないのでカスタマーサポートに問い合わせ、という悪循環は長年課題としてあがってきますが、根本的な考え方を変えないと改善されるはずもありません。
この話はもう少し続けます。